監修者
河野 裕花
「角栓崩壊」洗浄技術とは?落ちにくい角栓を洗浄する仕組み
「角栓崩壊」という言葉から、角栓を強い力で取り除くイメージを持つかもしれません。しかし、花王の角栓崩壊洗浄技術は、肌を強くこする方法ではなく、角栓の構造に着目した洗浄技術です。まずは、角栓がどのような汚れなのかを確認してみましょう。
毛穴に詰まる角栓は皮脂と角層由来のタンパク質などが混ざった汚れ
毛穴に詰まる角栓は、皮脂だけでできているわけではありません。花王の研究によると、角栓は皮脂と剥がれた角層由来のタンパク質などが混ざり合い、脂質とタンパク質が複雑な層状に重なった構造をしていると報告されています。このように複雑な構造が、通常の洗顔では角栓を落としにくい一因となっています。
鼻やあごのざらつきが気になるからといって、角栓を爪で押し出したり、肌を繰り返しこすったりするのは避けましょう。肌を強くこすらず、落としたい汚れや使用方法に合った洗浄製品を選ぶことが大切です。
なお、毛穴に詰まる「角栓」と、肌表面を覆う「角質層」は別のものです。角栓を取り除こうとして肌を強くこするのは避けましょう。洗顔後は、肌の状態や各製品の使用方法に合わせて、肌をなめらかに整える角質ケアを取り入れることもできます。
角栓崩壊の鍵はトロメタミンと独自処方|角栓を洗い流すまでの仕組み
花王の「角栓崩壊洗浄技術」は、トロメタミンによって角栓をほぐし、さらに親水性ミクロパウダーを組み合わせることで、毛穴の奥深くにある角栓まで除去することを目指した洗浄技術です。公式情報では、次のような仕組みが紹介されています。
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トロメタミンが角栓をほぐす
トロメタミンが角栓に接触すると、角栓を構成する剥離角層がゆるみ、内部の固体脂がやわらかくなります。これにより角栓はほぐれますが、この段階では完全にバラバラになっているわけではありません。 -
親水性ミクロパウダーが角栓の分散を促す
ほぐれた角栓を毛穴の外へ排出しやすくするため、トロメタミンとともに親水性ミクロパウダーを配合。パウダーがほぐれた角栓に吸着することで、角栓が分散しやすくなります。 -
毛穴の奥深くにある角栓にも作用する
角栓が分散しやすくなることで、トロメタミンが毛穴の奥深くにある角栓まで作用できるようになると考えられています。これが、親水性ミクロパウダーを組み合わせた新たな洗浄技術のポイントです。 -
ほぐれた角栓を毛穴の外へ排出する
トロメタミンで角栓をほぐし、親水性ミクロパウダーで分散を促す。この働きを組み合わせることで、毛穴の奥深くにある角栓まで除去することを目指しています。
ここで注意したいのは、トロメタミンが配合されているすべての化粧品に、花王独自の「角栓崩壊洗浄技術」と同じ働きがあるわけではないことです。
洗浄力や使用感は、一つの成分だけで決まるものではありません。成分の組み合わせや配合量などを含む製品全体の処方や使用方法を確認することが重要です。

トロメタミン配合だけでは決まらない?角栓ケア製品の選び方
角栓汚れが気になるときは、トロメタミンなどの配合成分だけでなく、製品の用途や処方、使用方法にも注目しましょう。
洗浄製品には、主にメイクや日焼け止めを落とすクレンジングと、汗やほこり、余分な皮脂などを洗い流す洗顔料があります。ただし、落とせる汚れや使用方法は製品によって異なるため、目的に合ったものを選ぶことが大切です。
製品を選ぶ際は、次のポイントを確認しましょう。
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製品の用途:メイクや日焼け止めを落としたいのか、皮脂や汚れを洗い流したいのか
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配合成分・処方:特定の成分だけで判断せず、ほかの配合成分も含めた製品全体の特徴
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使用方法:乾いた肌・濡れた肌のどちらに使うのか、使用量や使用頻度、すすぎ方など
角栓汚れが気になる場合も、洗浄力の強さだけを重視したり、自己判断で使用量や使用回数を増やしたりするのは避けましょう。製品に記載された使用方法を守り、肌の状態に合わせて無理なく取り入れることが大切です。

角栓崩壊洗浄の後はどうする?毎日の角質ケアを考えよう
角栓崩壊洗浄の仕組みを理解したら、洗顔の「次」に行うお手入れにも目を向けてみましょう。毛穴に詰まった角栓汚れと、肌表面全体のざらつき・ごわつきは、必ずしも同じ原因で起こるわけではありません。
毎日のスキンケアでは、洗浄によって汚れを落とすことと、洗顔後に肌へうるおいを与えてなめらかに整えることを、分けて考えるのがポイントです。
毛穴に詰まった汚れと、肌表面のごわつきは分けて考える
鼻まわりの毛穴に見える角栓汚れと、頬や額に触れたときに感じる肌表面のごわつきでは、お手入れの考え方が異なります。
毛穴に詰まった皮脂や角栓汚れには、クレンジングや洗顔料など、汚れの種類に合った洗浄ケアが基本です。一方、肌表面のざらつきやごわつきが気になる場合は、洗顔後に保湿を行い、肌状態に合わせて角質ケア美容液を取り入れる方法もあります。
ただし、手触りだけで、古い角質が蓄積していると判断することはできません。乾燥によって肌のキメが乱れ、ざらつきやごわつきを感じる場合もあります。
洗顔後につっぱりや乾燥を感じるときは、洗いすぎや肌をこするお手入れを避け、まずは肌状態に合った保湿を心がけましょう。角質ケアを取り入れる場合も、肌の様子を確認しながら、製品に記載された使用方法を守ることが大切です。
洗い流す角質ケアと、洗顔後になじませる角質ケアの違い
角質ケアには、肌の汚れを洗い流すタイプや、洗顔後に肌になじませる美容液タイプなど、さまざまな方法があります。使用方法やお手入れの目的は製品によって異なるため、それぞれの特徴を理解して選びましょう。
洗い流すタイプには、肌の汚れや余分な皮脂などを落とすことを目的とした製品があります。乾いた肌になじませた後、水を加えて乳化し、洗い流すものもあるため、製品に記載された使用方法を守ることが大切です。
一方、洗顔後に肌になじませる美容液には、肌にうるおいを与え、キメを整えるお手入れに取り入れられるものがあります。なかでも、洗顔直後に使用する導入美容液は、化粧水などを使う前のステップに取り入れるタイプです。洗い流す工程を増やさず、いつものスキンケアに組み込みやすいという特徴があります。
ただし、配合成分や使用方法は製品によって異なります。成分だけでなく、保湿・整肌成分や製品全体の処方も確認しましょう。
角質ケアを取り入れる際は、毛穴の汚れを落とすケアと、洗顔後にうるおいを与えて肌を整えるケアを区別し、気になる悩みや肌状態に合わせて選ぶことが大切です。
なめらかな肌を目指すなら?洗顔直後の角質ケア「導入美容液」を選ぶ3つのポイント
洗顔後のざらつきやごわつきが気になる場合は、美容液タイプの角質ケアを取り入れる方法があります。なかでも、洗顔直後に使える導入美容液なら、いつものスキンケアにプラスするだけで、手軽に角質ケアを取り入れられます。
ただし、配合されている成分の種類だけで製品の特徴や刺激の程度を判断することはできません。製品全体の処方や使用方法、使用頻度まで確認しましょう。
角質ケアに用いられる成分(AHA・BHA・PHAなど)を確認する
角質ケアを目的に美容液を選ぶ際は、配合成分や製品の説明を確認しましょう。代表的な成分には、次のようなものがあります。
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分類 |
成分の例 |
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AHA |
マンデル酸、グリコール酸、乳酸 |
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BHA |
サリチル酸 |
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PHA |
グルコノラクトン |
これらは、角質ケアを目的とした化粧品などに用いられる成分です。ただし、同じ分類の成分を配合した製品でも、配合量やpH、剤型、ほかの配合成分、使用方法などは異なります。
そのため、「BHA配合なら角栓を溶かせる」「PHA配合なら誰でも刺激を感じにくい」と、成分名だけで判断するのは避けましょう。成分の特徴だけでなく、製品全体の説明を確認することが大切です。
保湿成分も、角質ケアを取り入れる際に確認したいポイントです。肌の乾燥が気になる場合は、肌状態に合わせて保湿を組み合わせましょう。
保湿・整肌成分と製品全体の処方を確認する
ざらつきやごわつきが気になるときは、角質ケア成分だけでなく、肌にうるおいを与え、キメを整える成分にも注目しましょう。
例えば、ナイアシンアミドやビタミンC誘導体、グルタチオン、ツボクサエキスなどを整肌成分として配合した製品や、ヒアルロン酸Naなどの保湿成分を配合した製品があります。
また、リポソームなど、成分をカプセル状の構造に内包する技術を取り入れた製品もあります。ただし、こうした技術の有無だけで製品の特徴を判断せず、どのような成分が配合されているか、製品全体としてどのような設計になっているかを確認しましょう。
選ぶ際は、次のポイントも参考にしてください。
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肌にうるおいを与える保湿成分が配合されているか
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肌をこすらず、やさしくなじませて使えるか
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いつものスキンケアに無理なく取り入れられるか
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使用方法や使用頻度が自分の生活習慣に合っているか
使用を始めた後は、肌の状態も確認しましょう。つっぱりや刺激などの異変を感じた場合は使用を中止し、必要に応じて専門家に相談してください。
洗顔直後・化粧水の前など、使用順序と手順を確認する
角質ケアを習慣に取り入れるなら、使用するタイミングや手順がわかりやすい製品を選ぶこともポイントです。
洗顔直後に使うタイプの導入美容液は、製品に指定された使用方法に従い、例えば次のような順序で使用します。
クレンジング → 洗顔 → 水分をやさしく拭き取る → 角質ケア導入美容液 → 化粧水など普段のスキンケア
導入美容液は、清潔な手で肌をこすらないようにやさしくなじませましょう。洗い流し不要のタイプであれば、その後のスキンケアへ進めるため、洗い流す工程を増やさずに取り入れられます。
ただし、使用するタイミングや使用頻度は製品によって異なります。洗顔直後に使えるか、洗い流しが必要かなどを確認し、製品に記載された使用方法を守ることが大切です。

【まとめ】角栓汚れの洗浄と洗顔後の角質ケアのポイント
角栓崩壊洗浄技術は、トロメタミンを用いた独自処方で、落としにくい角栓をほぐし、洗い流すための技術です。洗顔やクレンジングは、洗浄対象と使い方を確認して選びましょう。
さらに肌表面のざらつきまで整えたいなら、洗顔直後に使う角質ケア導入美容液も選択肢になります。角質ケアに用いられる成分や整肌成分、処方など、毎日取り入れやすい使用方法を確認し、肌に合わせて組み合わせることが大切です。
角栓汚れを洗い流すところから、洗顔後の肌をなめらかに整えるお手入れまで。普段のお手入れの最初に何を使うか、見直してみませんか。